
100年先の未来と向き合う場所で、
「制服」の在り方も、生まれ変わる。
「街で働く」を、
その手から変えていくユニフォーム。
2020年代の都市開発を象徴する「100年先の心豊かなくらしのための実験場」、TAKANAWA GATEWAY CITY。その玄関口に位置するTAKANAWA GATEWAY Travel Service Center(トラベルサービスセンター)は、従来の駅の窓口スタイルから進化し、“街の多様性”を体現するフロントラインとしての役割を担っています。多様な人・文化・価値観が交差するこの場において、スタッフ=「キャスト」のユニフォームもまた、新しい都市の在り方を映すツールとして設計されています。
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制服の選定では、100年先の心豊かなくらしを見据えたTAKANAWA GATEWAY CITYの構想を起点に、「従来の駅の窓口」から「未来の共生する街」にふさわしいデザインへと刷新が図られました。プロセスには多くの声が丁寧に汲み上げられ、着心地・動きやすさはもちろん、多様な人々が対等に働けるデザインが意識されています。単なる制服ではなく、“街の一員”としての誇りを纏うもの。そんな想いが、一着一着に込められています。
この街では、業種や雇用形態を超えて、すべての職域の人々を“キャスト”と呼びます。キャストには、「TAKANAWA SPECS(スペックス)」という行動指針があり、次の価値観が大切にされています。
− Synergy:違いを力にして街を進めよう
− Pleasure:みんなが楽しくなる方を選ぼう
− Evolution:価値を受け継ぎ、価値を生もう
− Care:世話を焼けないか考えよう
− Safety:安全と安心で街を支えよう
ユニフォームは、これらの行動指針の一部を体現する存在として、街のロゴとともに刺繍で表現されています。「TAKANAWA GATEWAY CITYのロゴには、『高輪』という地名と“GATEWAY(玄関口)”という都市の役割が重ねられています。ロゴ内では『高輪』の“高”の文字を『GATE(門)』に見立てており、江戸時代に高輪が“江戸の玄関口”だった歴史性と、東京と世界をつなぐ「玄関口」を目指す思いが込められております。
街全体のコンセプトは、『人・自然・テクノロジーをつなぎ、100年先の心豊かなくらしを育む“街”』であり、ロゴの形や色彩にもその未来志向が反映されています。一見するとシンプルなロゴですが、歴史と未来への希望が宿っていることに、気づいていただけたら嬉しいですね。」(店長・谷田貝さん)
特に印象的なのは、モスグリーンを基調としたアースカラーの採用と、着用スタイルの自由度。JR東日本のブランドカラーである「グリーン」に通じつつ、自然豊かな街の景観にやわらかく溶け込む色彩設計。またこの施設では、事前に決められたアイテムの中から、自分の気分や天候・業務内容に応じて着用アイテムを選べるという特徴があります。
「インナーシャツは5種類、アウターはベスト2種とコート1種から選べるようになっていて、気候や気分でコーデを変えられます。時々キャストみんなで偶然お揃いになったりして、それが話のきっかけになるのも面白いです。“街の中で自由に働ける空気感”をユニフォームが体現しているようで、着るたびに気持ちが上がります。」
(女性キャスト)
「2025年3月の『まちびらき』を記念してスタートしたTAKANAWA GATEWAY CITYのまちあるきイベントがあるのですが、この取り組みはキャストが案内をするため、私たちの靴にも自由度が設けられています。お客さまと一緒に街を歩いてご案内するイベントで、1回あたり30分程度とはいえ、季節や天候、参加者のペースによって歩く量はさまざま。だからこそ、見た目の美しさだけでなく “歩ける快適さ”や安全性も重視されていて、スニーカーやローヒールなど、華美でなければ自由に選べる仕様になっています。
実際に私は、パンプスとスニーカーを日によって使い分けていますが、どちらもコーデに違和感なく馴染みますし、『歩けるユニフォーム』になっている実感があります。お客さまに快適に“街”を体験していただくには、まずキャスト自身が安心して自由に動けることが大切——そんな考え方が、制服の足元にも表れていると感じます。」(女性キャスト)

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「他セクションのスタッフから“今までの店舗とは全然違う!自分たちも着てみたい”と驚かれました。このセンターだけで成り立つコーディネートではなく、まわりの景観や他社のユニフォームとも調和するように何度も検討したので、“とても素敵ですね”とお客様に言っていただいたときは本当に嬉しかったです。
正直、最初に見たときはこれまでのベスト・タイトスカート・ヒールのユニフォームとはあまりに異なっていたので、“こんなにカジュアルで良いのかな?”と戸惑いもありました。でも、SPECSの精神が少しずつ自分のなかに根づいてきたことで、ユニフォームも自然と自分に馴染むようになりました。」(女性キャスト)
働く人の“らしさ”を大切にするこのユニフォームは、街の思想と人の気持ちが共鳴する象徴として機能しています。
※2025年7月取材



