なら国際映画祭2020

2020年が間もなく終わろうとしています。この10ヵ月の間に、今までの非日常が日常となり、その過程で色々なことが削ぎ落とされ、物事の本質を突き付けられる場面がとても多くなっていきました。そのことは私達にとても大切なことと向き合う時間をくれましたが、逆に精神的な余白、心身の開放や発散が出来る場面が減ってしまった様にも感じられます。そして、今まで続いてきたものが途絶えていってしまうことも少なからず目の当たりにしてきました。
中でもエンターテイメントの世界では、元来沢山の人が集まって 1つの空間・1つの体感を共有するスタイルであることから、公演の中止や延期、存続の危機などが叫ばれ続けています。そんな情勢の中、9月に「第6回なら国際映画祭」は開幕しました。


-1000年続く映画祭にしよう-

なら国際映画祭2020
古都奈良で、2010年から2年おきに開催されている「なら国際映画祭」。エグゼクティブディレクターを務める河瀨直美監督は、今回の開催についてたくさんの話し合いを重ねられたそうです。そして、開催3か月前の6月に決意を固めます。「世界中が脅威を実感している今だからこそ、ここ奈良で、“映画”を通して育んできた映画祭という名の庭園に、わたしたちは今年も新しい種を撒くことにしました。その庭から世界への扉を開き本当の意味での国境を超えた繋がりを実感したい。そして日本を改めて誇りに思いたいからです」




出来るだけたくさんの人たちと想いを共有するため、来場が出来ない人たちとはオンラインのシステムを導入するなど、会場と世界中の人たちを繋げる初めてのチャレンジを実施。会期2日間の観客動員数は4,557人ですが、オンラインやSNSでの動画配信などを合わせると総勢20万人以上の人たちが参加する大盛況のお祭りとなりました。



今年会場となった東大寺大仏殿は、1300年前に当時の聖武天皇が国家の安寧と隆昌を祈願する詔によって、全国民が力を寄せ合って建立されました。「皆の力を寄せ合ってつくるからこそ意味がある。だからこそ、その意思は継承されていくのだ」と聖武天皇の言葉がのこされているそうです。
日常では開かれない“観相窓”という大仏様の顔が見える窓が開けられ、開会。河瀨監督は、「聖武天皇のそんな意思を継いだ誰かが、その意思を次の誰かにつなぐ、それが繰り返された先で私達があの空間に存在できるんだと思うと、とても素敵なことだなと思います」と話します。河瀨監督は10年前の映画祭立ち上げ当時、「1000年続く映画祭にしよう」とスタッフ皆に伝えられたそうです。「誰かひとりが大きな力を持つのではなくて、みんながそれぞれの命を輝かせる『なら国際映画祭』をこれからも続けたいです」


-ボランティアスタッフのユニフォームで応援-

なら国際映画祭2020

私達セブンユニフォームはそんな思いに共鳴し、前回2018年から、映画祭の実現を支える“ボランティアスタッフ”のユニフォームを提供することで応援・参加させていただいています。
今年も総勢200人の有志スタッフが集結。奈良在住の老若男女様々な職業の方がお祭りに参加され、多岐に渡る業務を細やかに、楽しみながら働かれていました。ユニフォームとして選ばせていただいたのは、蒸し暑い夏の奈良に最適な“スーパーマルチ加工”のポロシャツ(CU2358-0/-9)。映画祭オリジナルのプリントを大胆に配したものをご提供しました。来場されたお客様からは「売ってほしい!」という声が上がるほど、着こなす皆さんの姿は本当に格好良いものでした。


なら国際映画祭2020


-働く人たちの衣服“ユニフォーム”を作る 私たちにできること-

多くの人たちが困難に直面しているこの情勢の中で、私たちが出来ることは何かと、いつも以上に考えさせられる日々が続いています。人々の心に光や豊かさを与えてくれるものはなにか。人が集まり繋がること、分かち合い、心を豊かにしてくれる場所にはエンターテイメントがあったり、食事を楽しんだり憩う場があります。こうした場所で働く“サービス業”の皆さまをこれからも全力で支えていきたい、皆様と一緒に発展していきたいと思っています。

なら国際映画祭2020


なら国際映画祭2020

なら国際映画祭2020


なら国際映画祭2020

なら国際映画祭2020

なら国際映画祭2020


なら国際映画祭2020

なら国際映画祭2020

開催期間: 2020年9月18日(金)から22日(火)
会場: 東大寺大仏殿、春日野園地、奈良市ならまちセンター 市民ホール、奈良公園バスターミナル レクチャホール、東大寺総合文化センター 金鐘ホール、エヴァンズ・キャッスル・ホール、春日大社 感謝・共生の館
ボランティアスタッフ衣装(セブンユニフォーム協力): ポロシャツCU2358-0/9(オリジナルプリント加工)

前回2018年に開催された「なら国際映画祭」については、こちらでご紹介しています。

河瀬直美監督がディレクターを務める古都・奈良の「なら国際映画祭2018」


映画監督:河瀨直美 Naomi Kawase

    生まれ育った奈良を拠点に映画を創り続ける。一貫した「リアリティ」の追求はドキュメンタリーフィクションの域を越えて世界各国の映画祭での受賞多数。故郷奈良にて「なら国際映画祭」を立ち上げ後進の育成に力を入れる。コロナ禍の6月に公開された世界各国の映画監督が集った短編映画企画「HOMEMADE/ホームメード」に参加。2021年東京オリンピック公式映画監督に就任。

なら国際映画祭 Nara International Film Festival

    2010年から始まって以降2年に1度開催される、古都奈良の街を会場にした国際映画祭。運営のほとんどがボランティアスタッフからなる。第1回からエグゼクティブディレクターに河瀨直美氏を迎え、映画作りの後進の育成も目的とした当祭典は、2020年9月の開催で6回目となった。