照明を一段階落とした暗めの店内には、スポットライトを浴びたバケットやデニッシュが所狭しと並べられています。フランス技法のクラシカルなパンも揃えてあるので、訪問時には海外のお客様もいらしたほど。伝統的なパン作りの技法に季節の野菜や果物、和の素材を融合した新しいベーカリースタイルです。希望のパンをスタッフに伝え、最後にお会計する対面販売形式ですが、奥からパンがどんどん焼き上がり、焼き立てパンが次々と並ぶので、お会計した後も「次はどんなパンが出てくるのかな…。」とワクワクして、その場から離れがたくなります。
一見、ベーカリーのお店と気づかないガラス張りの開放感ある建物、店名とロゴには都内有名店でシェフ、スーシェフとして経験されたオーナーシェフ・津田さんの強いこだわりがありました。
「“無機物”のイメージであるコンクリートやガラスと“有機物”のイメージであるパンのコラボレーションで新しい世界観を生み出すことを目標にしており、アルゴリズムという店名も“無機質”なイメージからです。このエリアは住んでいたこともあるので馴染みありました。 “有機物”の樹木があり、季節の移り変わりが感じられる場所に出店したいと思って物件を探していました。ロゴにはアルゴリズムの“a”と初期段階で検討していたキャラクターのクマの鼻を組み合わせています。これはどこの媒体にもまだ公表していないので、気づいてもらえたら嬉しいですね。」
「ガラス張りなので外から厨房が丸見えだし、見えるところには棚を付けないなど働く側にとっては少し不便なことがありますが、何よりお客様に調理の風景も楽しんでもらいたくて。“厨房”と“販売スペース”が同じ空間内にあるので、コミュニケーションを取りながら、焼き立てのパンを出すことができます。焼き菓子を壁掛けレールに置いたり、レジのそばにはオーダーしたイラストを飾ったりして遊び心も取り入れて中野らしさを表現してみました。
そのようなこだわりあるお店なのでコックコートも従来の白色ではなく変わったものをと考えて、新宿のセブンユニフォームショップに行くと、スタッフの方が熱心に聞いてくれて麻調デニムのコックコートをお勧めしてくれました。」(オーナーシェフ・津田さん)
「このデニムコートは手に持つと少し重みを感じますが、着用すると意外と重みは感じないですね。着用を重ねるうちに硬さもなくなり馴染んできました。普通のコックコートにはない両腰ポケットも物を入れやすくて便利ですね、工夫されていると感じました。何より良かったのは、生地が紺と白のミックス調なので粉が目立たないところ。
実はコックコートは黒にしようかと思っていたのですが、黒だったら粉が目立っていましたよね。それも職人っぽくて良いのですが、既成概念を覆したかったので麻調デニムはピッタリでした。」(オーナーシェフ・津田さん)
「この麻調デニムエプロンの良いところは、汚れが目立たないし、アイロンがけも不要、ポケットが沢山あるので、用途別に小物が収納できるところですね。あとは、バックル留めなので、一度しめたら解けないことは忙しく働くうえではすごく重要です。首掛け紐はオシャレですね。バックルベルトの紐をギュッとしめればウエストでとめられるので、肩凝りも心配ありません。」(女性スタッフ)
※2023年11月取材