やわらかな正統派
お客様を引き立てるユニフォーム
横浜高速鉄道みなとみらい線「元町・中華街駅」1番出口より徒歩1分、横浜港に面した山下公園からほど近い立地に、2024年4月29日「S.Weil by HOTEL NEW GRAND」は誕生しました。
ブランド名は、1927年に開業した「ホテルニューグランド」の初代総料理長サリー・ワイル氏の弟子・大谷長吉氏が手掛けた洋菓子の名店「エスワイル」を受け継いでいます。
正面のショーケースに並ぶのは、ブランドのシグネチャーアイテムである「モカルーロ」。ワイル氏が大のコーヒー好きであったことから、オリジナルブレンドコーヒー「ザ・コーヒー」を商品化、「モカルーロ」にはそのコーヒーを生地とバタークリームに使用しています。“ルーロ”という聞きなれない単語はフランス語で“巻き”を意味しているそうです。9月からは新しくアイスクリーム「モカ」「バニラ」も登場し、さっそく人気商品となっています。
Coordinate
Left
Center
Right
「S.Weil by HOTEL NEW GRANDは、老舗ホテルであるホテルニューグランドが直営する物販ショップです。ホテル名を冠しながらも“やわらかな正統派”というコンセプトのもと、ホテルの伝統を大切に継承しつつ、時代に寄り添って柔軟に対応していきたいという想いでブランドを立ち上げました。気軽に入店して頂きたいので、かしこまった雰囲気を出さないようカジュアルですが品のあるユニフォームにしました。
新ブランドですから、ユニフォームとロゴにはこだわりましたね。ロゴのデザインはNHK「虎に翼」のロゴ・メインビジュアルデザインを担当された三宅瑠人氏と岡崎由佳氏に何パターンか出して頂きましたが、人物の横顔のロゴなんて今まで見たことがなかった!けれどもスタッフからは大変人気が高かったので、お店と心中する気で採用しました。
いまでは大成功だったと感じられますが、当時は心配でしたよ。働き甲斐のある環境にしたくて、ディスプレイやメニューなど店作りに関することはすべてスタッフに任せています。責任は私がとるので、スタッフには色んな意見を出して頂き、生き生きと働いて欲しいですね。」(副総支配人:谷口様)
店内に入ると目に留まる中央のカウンターは横浜市認定歴史的建造物である本館の大階段をイメージし、こだわりの焼きタイルは愛知県の常滑焼で1枚1枚職人の方が色や風合い、手触りまでこだわり抜いた仕上がりです。床の大理石はホテル開業時の本館1階が白と黒のタイル張りであったことから、その雰囲気をイメージしてモノトーンのイタリア製大理石を輸入し、モダンな仕上がりとなっています。
その他にも本館の照明には和紙が使われていることから壁紙は和紙にシルクスクリーンでプリントしており、天井のブロック型も本館天井の石膏細工をオマージュし、ホテルニューグランドのクラシックな魅力を現代風に昇華しています。木材はアメリカンチェリー材、金属は真鍮を使用しており、使えば使うほど味の出てくる本物の素材を使用した店内となっております。
「カウンター内はスタッフが3名も入ると大変狭いのですが、ベストとエプロンがトリコット製でストレッチがあるので、屈むことや身体をひねる動作が多くても動きやすいですね。上下で同じ色を揃えているので、ホテルらしさも出ています。
あとは何と言ってもロゴの刺繍が可愛くって!ここまで繊細に横顔の表情を表現できるとは思わなかったので驚きました。繊細なロゴが胸元にあるだけでユニフォームがすごく映えますね。日によって色の異なるユニフォームを着ていると、お客様からの反応も良いです。テイクアウトのコーヒーをお渡しする際に、今日は白色なのね、などお声掛けいただくと仕事にもやりがいを感じます。」(販売スタッフ)
タイミングが合えば働くパティシエの姿をガラス越しに見られるのもこの店舗の特徴です。「モカルーロ」の「巻き」「カット」「梱包」を見ることが出来ますが、何が見られるかは当日のお楽しみとの事。取材時は「カット」「梱包」の作業日だったため、目の前には次々と正確に切り出された「モカルーロ」が並んでいきました。カット端を「ミミルーロ」として販売をするアイディアを出したのもスタッフだったとか。
「SDGsというと大げさかもしれませんが、廃棄物を減らすことで、少しでも環境に貢献できるのは良いですね。切れ端と言っても味は同じですし、何なら端ほどクリームはたっぷりついているのでお得かもしれないです。」(副総支配人:谷口様)
「今回のユニフォーム決定にあたり、親近感が出るようにスタンドカラーデザインを意識して選びました。ホテルニューグランドでは蝶タイを付けている部門もあるくらい端正で格式のあるユニフォームを着用しているので、ホテルを知っている方からすると驚かれることもありますが、新鮮さも感じておられるようです。
また、靴は白・黒の色指定のみで他は自由にして良いことや、社員は白・黒から好きな方を着用して良いなど、スタッフが積極的に意見を出してくれたので、店舗とお客様の距離をグッと近づけることも出来ました。
ご近所の方がパンや冷凍食品のお会計している際にスタッフとの会話が生まれていることもあり、お客様のリピート率が高いことにつながっているように思います。大谷氏から受け継いだ、この伝統あるブランドを今後も時代に寄り添って進化させていきたいですね。」(副総支配人:谷口様)
※2024年9月取材