着物のディテール表現と
働きやすさの調和を目指した
“日本の美意識を纏う” 制服です。
港区白金台に広がる約1万坪にも及ぶ広大な日本庭園。都内でも有数の美しい庭園で知られる総合宴会施設「八芳園」が半年を超える休館・リニューアル改修工事を経て、昨年2025年10月1日にグランドオープンを迎えました。
「本改修のコンセプトには『日本の、美意識の凝縮』、そしてテーマには「継承と創造」を掲げました。これは、先人から受け継いだ “美意識” をもとに、400年以上の歴史を持つ日本庭園とともに歩んできた八芳園が、次の世代へと継承していくための大きな決意を表しています」(取締役総支配人/関本敬祐さん)
メインロビーはリブランディングコンセプトを象徴する空間として、福岡の伝統工芸 “大川組子” と日本庭園が融合した空間へと生まれ変わり、本館への入館アプローチも美しい木製ファサードをくぐり、すべてのお客様が庭園の景色に触れてから入館していただくルートへ変更になるなど、庭園と施設の調和が大きく改善されました。
「建物を新たに建てるのではなく、既存建物をよりよい形で継承していくことで、八芳園の原点である日本庭園との親和性をより一層深めることを目指し、庭園と建物の調和を取り戻しました。また、スペースの使用用途を見直して最適配置することで施設の利活用を進め、さらに ZEB Oriented の認証取得による環境配慮型施設として、未来につなぐ施設へと進化しました」(関本さん)
グランドオープンに合わせ、八芳園のスタッフのユニフォームも刷新。施設改修のリブランディングコンセプトに呼応し、『日本の美意識を纏う』をテーマに、各セクションの装いを再構成しました。表現の核となるアイテムはオーダーメイドとしつつ、既製品を効果的に組み合わせ、運用性や継続性も見据えた構成へ。デザインのプランを手掛けたのは、2025年3月に誕生した八芳園初の衣裳室ブランド「The Bridal Boutique KOTOHOGI by HAPPO-EN」のクリエイティブディレクター・飯島智子さんとセブンユニフォームです。

Coordinate(左から)
ブライダル男性
コンシェルジュ男性
- 7分袖シャツコート BA1077-0
- パンツ オーダーメイド
- ジャケット オーダーメイド
ゲストリレーション女性
- ジャケット オーダーメイド
- スカート オーダーメイド

Coordinate
ゲストリレーション女性
- ジャケット オーダーメイド
- スカート オーダーメイド
「飯島さんをお迎えした際、飯島さんはいち早く八芳園のこれまでの歴史、大切にするべき想いや考え方、そして八芳園が目指す未来をご理解いただいており、我々と同じ想いと熱量で向き合ってくださいました。デザイナーとして美しいものを作るだけでなく、八芳園という組織全体を変革し、スタッフ一人ひとりが誇りを持って着られるものを作ろうとしてくださる、そのような方だからこそ、お願いしたいと思いました」(関本さん)
「まず初めに “何のために制服を着るのか?” “制服って何なのか?” という意識改革が必要でした。そしてその出来上がっていくプロセスでも絶対現場を巻き込まなきゃいけない。出来上がったユニフォームに対して、全てのスタッフがただそれを着るのではなく、それに見合った自分の着こなしが可能なマインドでそこに居て、愛着と誇りを持ってお客様をお招きできるように。いわゆる社内のインナーブランディングを上げなければいけないと考えました」(飯島さん)
リブランディングコンセプト「日本の、美意識の凝縮」を、ユニフォームという形で具現化するため、新しいユニフォームは、西陣織の老舗「HOSOO」の生地を使用したボタンやリボン、着物の装いの所作に通じるディテールを取り入れました。八芳園が大切にする「日本の美意識」を現代の接遇シーンに調和させたデザインです。
「“機能性と実働性の担保” は大前提として、八芳園が目指す世界観をどうデザインに落とし込むか、時代にどうマッチさせるのかというバランスですね。進んでいた八芳園全体のリブランディングプロジェクトと感覚をすり合わせながら、出てきた言葉やビジュアルイメージなど、具体的なアイデアをその都度出していきました。この要素をユニフォームの領域でも取り入れたいと」(飯島さん)
飯島さんのイメージやアイデア、提案される細かいディテールを、セブンユニフォームのデザイナーが、生地による立体的なシルエットサンプルに起こし、イメージを擦り合わせていきました。
「仮縫い用サンプル生地での、本来お客様にお見せしない初期段階の立体サンプルから、今回は飯島さんに見ていただき、そこでこんな形状がいいんじゃないか?というアイデアをチェックしていただきながら、シルエットを決めていきました。飯島さんがストーリーやイメージを言語化し、その想いを指示していただく。空間マッチングの方向性など、価値観もかなり共有・共感できました。その衣装の方向性もすごくわかりやすい形で指示に込めてくださったと思います。」(セブンユニフォーム・デザイナー/池尻)

Coordinate
ゲストリレーション女性
- ジャケット オーダーメイド
- スカート オーダーメイド
「セブンさんには挑戦しかなかったと思うんですけど。さまざまな難しい問題が起きても、制服として実動した後の事とか、作業パフォーマンスが上がる上がらないとか、ユニフォームメーカーとしての経験値から、そういったところも常に考えながら製作してくださって。最終的にはクライアントの八芳園さんが満足する、美しく機能性有るものに出来上がったという点は、これはセブンさんにしかできないことだと思いますね」(飯島さん)
デザイン製作と共に進められたのが、八芳園スタッフの新しいユニフォームへのインナーブランディングとモチベーションの向上でした。
「今回は約1年半のアクションプランを最初に全て組み立てました。2024年3月にプロジェクトをスタートし、夏にはサイズサンプルを作成。1週間以上かけて着用スタッフ全員の採寸を実施しました。採寸では、一人ひとりの佇まいを見てサイズ感に対してアドバイスをいただき、また、本プロジェクトの担当者である八芳園社員がスタッフ全員に声をかけ、スタッフのユニフォームに対する意識を深められるよう、丁寧にコミュニケーションを取りました」(関本さん)

「導入した後の安定的な運用と、とにかく “八芳園のみなさんが愛せる制服を”。そういう意味で作るという点に一番緊張感を持って臨みました。そこが失敗したらストーリーテリングが良くても、これは失敗作になる。実はそこが一番重要だと考えました」(飯島さん)
「採寸したスタッフからは、『これを着て10月のグランドオープンを迎えるのがとても楽しみです』という言葉もこぼれ、ユニフォームを纏うことでスタッフのモチベーション向上に大きくつながっていると感じました。このように、丁寧にスタッフのユニフォームに対するマインドをしっかりとセットできたこともあり、業界の先駆けとなる “スニーカーの導入” にも踏み切れたと感じています」(関本さん)
ユニフォームのリニューアルを機に、八芳園では制服規定を見直し、スニーカーの着用を選択できるように。美しい立ち居振る舞いを前提に、長時間の立ち仕事や移動が求められるブライダル・ホスピタリティ現場における身体的負担を軽減し、接遇品質を保ちながら業務の快適性とパフォーマンス向上を図る先進的な取り組みです。
「スニーカーはとても動き易いですね。パンプスで移動距離が長い日などは、家に帰っても足が痛い時があったので…」(ゲストリレーション・ベルサービスセクション/森谷さん)
スタッフの体型・身長・年齢などに左右されない、どんな姿勢や動きでも皆が美しくいられる「シルエット」と「カラーリング」を目指して設計された “日本の美意識を纏う” ユニフォームは、現場の着用スタッフのみなさんやお客様にも好評をいただいているそうです。
「全体的にシックな雰囲気が良いですね。黒で統一して、西陣織りのリボンがポイントいう、シンプルだけれどもちょっとおしゃれな感じが大好きです。私はワンピースは夏、パンツスタイルを冬に着てるんですけど、どちらも日々の気分で自由に選べるのもとてもいいなと思ってます。お客様からも『八芳園さんは制服まで妥協してないところが素敵ですよね』とお声がけいただき、嬉しかったです」(ブライダルセールスセクション/白藤さん)
「御着物のようなデザインが、よくお客様に素敵だねとおっしゃっていただきとても嬉しいですし、館内の雰囲気にマッチしたデザインが、とても気に入っております。ゆったりとしたシルエットも、私はよく歩き、荷物を持ったりといった動作も多いので、その点ではすごく動きやすいですね」(コンシェルジュセクション/石井さん)
「デザインもゆったりとしてて、モダンな印象ですね。海外の方からも人気で、お写真を求められたり、可愛いですねというお言葉もいただきました」(コンシェルジュセクション アシスタントマネージャー/新井さん)
八芳園にとって創業以来最大規模であった今回のリブランディングでは、スタッフのおもてなしや佇まい、メインロビーの組子アートやバンケットの内装などの空間、そしてスタッフが纏うユニフォーム。これらすべてが調和し、お客様に “日本の、美意識の凝縮” を感じていただけるリニューアルが達成されました。
「新しいユニフォームは、八芳園の新しい時代の象徴です。伝統を継承しながら創造し、機能的でもある。そして何より、スタッフ一人ひとりが誇りを持って着られる。これこそが、私たちが目指した “日本の美意識を纏う” ユニフォームであると感じています。」(関本さん)
photographs by yuu kamimaki
八芳園
HAPPO-EN
〒108-8631
東京都港区白金台1-1-1
TEL : 0570-064-128(代表)
営業時間:当日のご宴席状況により異なります
〈電車でお越しの方〉
〈電車でお越しの方〉
地下鉄「白金台駅」2番出口より徒歩約2分
JR「目黒駅」東口より徒歩15分
〈バスでお越しの方〉
目黒線東口より『白金台駅前』下車
〈品93〉目黒駅↔品川駅↔大井競馬場
品川駅高輪口より『白金台駅前』下車
〈品93〉大井競馬場↔品川駅↔目黒駅
〈タクシーでお越しの方〉
目黒、五反田、品川駅より5分
〈車でお越しの方〉
高速道路:目黒出口より左折3分


